会社のプリンターをネットワーク接続する前に確認したい5項目
2026.09.07


「新しいプリンターをネットワークにつなぎたいが、どの接続方法がよいか分からない」「設定した直後は使えるのに、数日後に印刷できなくなる」「部署ごとにプリンターを分けたいが、誰がどの機器を使えるか整理できていない」。会社でプリンターを共有すると、このような悩みが起こりやすくなります。
プリンターのネットワーク接続は、ケーブルをつなぐだけで終わるものではありません。接続方式、IPアドレス、利用範囲、認証やアクセス制御、障害時の確認担当まで決めておく必要があります。
この記事では、会社でプリンターをネットワーク接続する前に確認したい5項目を整理します。小規模オフィスで1台を共有する場合から、複数部署・複数拠点で運用する場合まで、導入後の混乱を減らす考え方を紹介します。
この記事の結論
プリンターのネットワーク接続では、接続方式・IPアドレス・利用範囲・セキュリティ・障害時の切り分けを先に決めます。設定担当者だけが分かる状態にせず、機器情報と復旧手順を記録しておくことが安定運用のポイントです。
プリンターのネットワーク接続方式を選ぶ
まず、プリンターをどの範囲で共有するかを決めます。接続方式によって、設定の手間、障害時に確認する場所、利用者を増やすときの作業が変わります。
| 接続方式 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| USB接続 | 1台のパソコンと直接つなぐ | 個人利用、共有が不要な小規模業務 |
| 有線LAN | 社内ネットワークへ安定して接続 | 固定席・大量印刷・安定性重視 |
| 無線LAN | 配線を減らして設置しやすい | 配線工事が難しい、配置変更が多い環境 |
| プリントサーバー | 印刷先をサーバーで一元管理 | 利用者・端末・拠点が多い会社 |
一方で、無線LANは設置しやすい反面、電波状況や社内のネットワークポリシーの影響を受けます。また、有線LANは配線が必要ですが、印刷量が多い場所や接続の安定性を重視する場所に適しています。そのため、方式の名前だけで決めず、設置場所と利用人数を基準に選びます。
IPアドレスと機器情報を管理する
ネットワーク接続では、プリンターの住所にあたるIPアドレスを確認します。自動取得に任せると、ルーターやネットワーク環境の変更後にアドレスが変わり、パソコンが以前の接続先を探し続けることがあります。
固定IPが必要かを判断する
社内で継続的に使う共有プリンターは、固定IP、またはDHCP予約など、アドレスを変わりにくくする方法を検討します。なお、どの方法を採用できるかは、社内ネットワークの管理ルールによって異なります。そのため、情シスや外部の管理担当者へ確認します。独断で設定すると、別の機器とアドレスが重複するおそれがあります。
台帳に記録する
少なくとも、メーカー・型番、設置場所、MACアドレス、IPアドレス、接続方式、管理担当、利用部署を記録します。プリンター名だけでなく、機器の実体と接続先を結び付けておくと、印刷できないときの確認が早くなります。プリンターが突然オフラインになる原因を確認するときにも、台帳が役立ちます。
利用範囲と印刷先の名前を決める
ネットワーク接続したプリンターは、誰でも見つけられる状態にすればよいとは限りません。まず、部署・フロア・拠点ごとに利用範囲を決めます。そのうえで、パソコンの画面で迷わない名前を付けます。
| 決めること | 例 | 効果 |
|---|---|---|
| 利用部署 | 営業部・管理部・共用 | 不要な印刷先を表示しない |
| 設置場所 | 1階受付・2階事務室 | 取りに行く場所を間違えにくい |
| 印刷先名 | 2F-共用-A4カラー | 用途・サイズを判断しやすい |
印刷先の名前に、設置場所や用途を含めると、似た機器が並んでも選びやすくなります。ただし、名前を変えただけでアクセス制御ができるわけではありません。利用制限が必要な場合は、ネットワーク側の設定やユーザー認証など、別の仕組みと組み合わせます。
ネットワーク接続時のセキュリティを確認する
プリンターも社内ネットワークに接続する機器の1つです。そこで、初期パスワード、管理画面へのアクセス、不要な通信機能などを確認します。さらに、必要以上に外部へ公開しない設定にします。
- 管理画面の初期パスワードを変更する
- 管理画面へアクセスできる範囲を必要な担当者に絞る
- 使わない無線機能や通信機能を放置しない
- ファームウェアやセキュリティ更新の担当を決める
- 機密文書を扱う場合は認証印刷や回収ルールを検討する
機器の設定を厳しくしすぎると、現場がパスワードを共有したり、無断で別の接続方法へ変更したりすることがあります。守るべき情報と、現場が毎日行う操作を分けて設計することが重要です。印刷制限や認証印刷を検討する場合は、印刷物の取り忘れによる情報漏えいへの対策も参考になります。ネットワーク機器を含む基本的な安全対策は、IPAの情報セキュリティ対策も確認しておきましょう。
印刷できないときの切り分け方法を決める
ネットワーク接続後のトラブルは、プリンター本体、ネットワーク、パソコン設定のどこで起きているかを切り分けます。担当者が変わっても対応できるよう、確認順を簡単に文書化します。
まず本体の電源、エラー、用紙、トナーを確認します。次にネットワークケーブルや無線接続、ルーター・スイッチの状態を確認し、台帳に記録したIPアドレスと現在の表示を照合します。そのうえで、印刷キューの停止や、別の印刷先を選んでいないかを確認します。
複数のパソコンで同時に印刷できない場合は、共通するネットワークやプリンター側を先に確認します。一方で、1台だけなら、そのパソコンのドライバー、ポート、既定のプリンターを確認します。また、印刷が遅い・止まる原因も、症状が端末全体か一部かを分ける際の参考になります。
失敗しにくいネットワーク接続の導入手順
- 利用人数・部署・設置場所・印刷量を整理する
- 有線LAN・無線LAN・サーバーなどの方式を選ぶ
- IPアドレスとネットワーク側のルールを確認する
- 管理担当と利用範囲、印刷先名を決める
- 1台のパソコンで接続・印刷を試験する
- テスト後に端末を増やし、台帳を更新する
一度に全端末を設定せず、まず1台で試験すると、接続方式や印刷先名の問題を見つけやすくなります。また、A4普通紙だけでなく、カラー、両面、複数ページなど、実際の業務に近い条件で確認します。
プリンターレンタルの相談で伝えること
ネットワーク接続を含めてプリンターを導入する場合は、機種や月間枚数だけでなく、社内ネットワークの条件を伝えます。次の情報があると、設置や初期設定、保守の範囲を検討しやすくなります。
- 利用する部署・人数・端末数
- 設置場所と、有線・無線の希望
- 固定IPやプリントサーバーの社内ルール
- カラー・両面・A3などの印刷条件
- 認証印刷や利用履歴が必要か
- 初期設定、端末追加、障害対応をどこまで任せたいか
導入後に「つながらない」「どの印刷先を選べばよいか分からない」とならないよう、機器の設置だけでなく、接続情報の記録や利用者への案内まで含めて相談します。ネットワーク環境によっては、社内の管理担当者との調整が必要になるため、早めに条件を共有することが大切です。
プリンターのネットワーク接続チェックリスト
- 利用人数・部署・設置場所を整理した
- 接続方式のメリットと制約を確認した
- IPアドレスの管理方法を決めた
- 機器情報を台帳へ記録した
- 利用範囲と印刷先名を決めた
- 初期パスワードや不要な通信機能を確認した
- 1台の端末でテスト印刷した
- 障害時の確認順と担当者を決めた
まとめ
会社のプリンターをネットワーク接続すると、複数人で共有しやすくなる一方、接続方式、IPアドレス、利用範囲、セキュリティ、障害対応を決めておかないと、導入後のトラブルにつながります。そのため、1台で試験し、機器情報と設定を記録してから社内へ展開しましょう。
また、現在のネットワーク環境に合うプリンターの選び方、初期設定、端末追加、保守までまとめて確認したい場合は、ぜひ下記のお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

