ペーパーレスを進めてもプリンターは必要?残すべき印刷業務の判断基準
2026.05.25

ペーパーレス化を進める中で、「もうプリンターは不要ではないか」と考える企業は増えています。実際、請求書や申請書、社内共有資料の電子化は進み、印刷枚数が減っている企業も少なくありません。
一方で、ペーパーレスを進めた結果、現場の業務効率が落ちたり、結局プリンターを再導入したりするケースもあります。
重要なのは、「プリンターを残すか、なくすか」で判断することではありません。
ペーパーレスを進める中でも、どの業務は紙のまま残した方が効率的か、どの業務は電子化した方が合理的かを整理し、自社に合った運用にすることが大切です。
この記事では、電子化してもプリンターを残すべき理由、紙運用が合理的な業務、判断基準まで実務目線で解説します。
ペーパーレスでもプリンターが必要な会社は多い
結論から言うと、完全なゼロ印刷を実現している会社は多くありません。
理由は、紙の方が効率的な業務が一定数残るためです。
ペーパーレス=印刷ゼロではない
ペーパーレス導入の目的は、紙をなくすことではありません。
本来の目的は、業務を効率化することです。
例えば以下の業務です。
| 業務 | 電子化適性 |
|---|---|
| 社内申請 | 高い |
| 会議資料 | 高い |
| 契約書 | 中〜高 |
| 現場チェック表 | 低〜中 |
| 出荷指示書 | 低い |
重要なのは「紙を減らす」ではなく「効率が上がるか」で判断することです。
ペーパーレスで失敗する会社の特徴
以下に当てはまる場合は注意が必要です。
・全業務を一括電子化する
・現場運用を考慮していない
・印刷設備を先に削減する
・業務分類をしていない
特に多いのが、
紙を減らすこと自体が目的になるケースです。
結果として、現場の確認作業や共有作業が増え、生産性が下がることがあります。
残すべき印刷業務の判断基準
では、どの業務を紙で残すべきなのでしょうか。
ここでは判断基準を紹介します。
判断基準① 同時閲覧人数が多い業務
複数人で確認する資料は、紙の方が効率的なケースがあります。
例:
・工程管理表
・現場指示書
・製造記録
・日報確認
複数人が同時に見る業務は、紙の方が作業スピードが落ちにくい傾向があります。
判断基準② 手書き・押印が残る業務
電子化しても、最終的に紙になる業務があります。
例:
| 業務 | 紙が残りやすい理由 |
|---|---|
| 検査記録 | 現場記入 |
| 受付票 | 即時処理 |
| 承認書類 | 押印運用 |
| 作業指示 | 書込み |
無理な電子化は二重管理につながることがあります。
判断基準③ 移動しながら使う業務
物流、製造、建設などでは紙が残る傾向があります。
理由は単純です。
紙は充電不要で、確認速度が速いためです。
特に現場業務では、閲覧性が業務効率を左右します。
判断基準④ ミスコストが高い業務
誤認識や入力ミスが許されない業務です。
例えば、
・受注伝票
・配送指示
・検品工程
・契約確認
このような業務は、
確認精度を優先して紙を残す判断も合理的です。
印刷削減を進める具体的方法
印刷を残す場合でも、削減は可能です。
ゼロか100かではありません。
方法① 印刷対象を分類する
まず分類します。
| 分類 | 判断 |
|---|---|
| 保存目的 | 電子化 |
| 確認目的 | 業務次第 |
| 手書き目的 | 紙継続 |
| 配布目的 | 電子優先 |
業務単位ではなく「印刷理由」で分けることが重要です。
方法② 複合機を集約する
印刷枚数が減ってきた企業では、ペーパーレス化に合わせて複合機やプリンターの運用方法を見直すことも有効です。
例えば、
・部署別3台→共有2台
・大型複合機→小型+共有機
などです。
ただし、
削減しすぎると待ち時間増加につながります。
方法③ 印刷ルールを作る
例:
・会議資料は電子配布
・個人印刷は禁止
・カラー印刷は承認制
設備削減より運用改善の方が効果が出ることもあります。
プリンターを残す場合の適正な考え方
プリンターを残すことは後ろ向きではありません。
重要なのは、必要な業務に合わせることです。
判断の目安
| 状況 | 推奨 |
|---|---|
| 月500枚未満 | 集約検討 |
| 月500〜3000枚 | 共有運用 |
| 月3000枚以上 | 分散配置検討 |
また、確認すべき項目があります。
・月間印刷枚数
・同時利用人数
・印刷時間帯
・紙保管期間
削減基準ではなく、業務維持基準で判断することが重要です。
コストだけで判断しない
印刷枚数だけを見ると、削減したくなります。
しかし、
プリンターをなくした結果、
・移動時間増加
・確認工数増加
・現場停滞
が起きれば意味がありません。
設備費より業務効率の方が影響が大きいケースもあります。
まとめ
ペーパーレス化は、紙を完全になくすことではありません。
重要なのは、どの業務で紙が必要かを整理することです。
今回紹介した判断基準は以下です。
①同時閲覧が多い
②手書き・押印が必要
③移動しながら利用する
④ミスコストが高い
ゼロ印刷を目指すより、残す紙を決める方が成果につながります。
もし現在、
「印刷枚数は減ったが、プリンター運用は変わっていない」
という場合は、台数や配置、契約内容を見直すことで効率化できる可能性があります。
現在の利用状況をもとに、最適な運用を診断することも可能です。お気軽にご相談ください。

