急ぎの資料を印刷している途中で、プリンターに「紙詰まり」と表示された。紙の端は見えているものの、引っ張ってよいのか分からない。オフィスでは、こうしたトラブルで作業が止まることがあります。

プリンターの紙詰まりを直す方法で大切なのは、印刷を止め、詰まった場所を確認し、その機種に指定された手順で用紙を取り除くことです。力任せに引き抜くと紙が破れ、復旧に時間がかかるおそれがあります。

この記事では、紙詰まりの基本的な直し方、原因別・場所別の確認ポイント、やってはいけないこと、保守へ相談する判断基準を解説します。機器の買い替えを考える前に、今の症状を安全に切り分けましょう。

作業前に必ず機種の説明書を確認
電源を切るか、入れたまま作業するか、紙を引き出す方向、開けるカバーは機種や詰まった場所によって異なります。本記事は確認の順序を示す共通ガイドです。実際の取り除き方は、本体画面とメーカーの取扱説明書を優先してください。

プリンターの紙詰まりを直す方法|最初に行う5ステップ

1.印刷を止め、共有機の利用者へ知らせる

本体の停止・キャンセル操作で印刷を止め、同じデータの再送信を控えます。共有プリンターでは、他の人からもジョブが送られるため、「紙詰まり対応中」と知らせてください。復旧後に意図しない大量印刷が始まるのを防ぎます。

自分が送った不要なジョブはパソコン側でも取り消します。他の利用者のジョブまでまとめて削除する場合は、担当者に確認しましょう。具体的な操作は、プリンタードライバーと印刷キューの確認手順も参考になります。

2.エラー表示と詰まった場所を記録する

「給紙トレイ」「本体内部」「背面」「両面ユニット」「ADF」など、画面に表示された場所を確認します。機種名とエラーコード、紙の位置を写真やメモで残すと、復旧できなかったときの相談がスムーズです。複数の場所が表示される場合は、画面の案内順に確認します。

3.説明書に従い、電源とカバーを扱う

メーカーのサポートページで機種名を検索し、「紙詰まり」「用紙がつまったとき」の項目を開きます。電源の扱いを確認してから、利用者が開けてよいカバーやトレイだけを操作してください。高温注意の表示がある部分では、説明書に指定された冷却時間や待機手順を守ります。

印刷中の紙を外から引っ張ったり、画面の案内を見ずにコンセントを抜いたりしないことも大切です。機種によっては、電源を切ると表示中の案内や受信データが失われる場合があります。

4.指定された方向へ、ゆっくり紙を取り除く

説明書で示された位置から、用紙をできるだけ均等に持ち、指定の方向へゆっくり引き出します。「必ず排紙方向へ引く」「必ず手前へ引く」と一律に判断してはいけません。強い抵抗があるときは、引く力を増やさず、別のカバーを開ける手順がないか確認します。

取り出した紙が破れていたら、そのまま印刷を再開しないでください。説明書の利用者作業の範囲で残った紙片を確認し、見えない・届かない場合は保守窓口へ相談します。

5.部品を戻し、少量のテスト印刷で確認する

取り外したトレイやユニットを正しい位置へ戻し、カバーを確実に閉めます。エラーが解除されたら、用紙と印刷設定を確認し、普通紙の片面印刷を1~2枚だけ試します。両面印刷で詰まった場合は、片面の確認後に対応用紙で両面も少量試してください。

排紙できたかだけでなく、用紙の折れ、斜行、異音、欠けたページも確認します。途中で止まった資料は、印刷済みのページと照合して不足分を再出力しましょう。

プリンターの紙詰まりが起きた場所別の確認ポイント

表示・場所最初に見ること作業の注意点
給紙トレイ付近積載量、ガイド、紙の折れトレイの引き出し方を確認する
本体内部・排紙側画面が示すカバーと紙の位置高温部・ドラム・センサーに触れない
背面・両面ユニット両面用の搬送経路、残った紙ロックやユニットの戻し忘れに注意
ADF(原稿送り)印刷用紙ではなく原稿の状態ADF専用の取り除き手順に従う

ADFは、コピーやスキャンの原稿を送る部分です。印刷用紙の紙詰まりとは別の経路なので、給紙トレイを見ても解決しません。原稿のホチキスやクリップ、折れ、対応外の薄紙などを確認し、傷みやすい原稿は、対応条件を確認したうえで原稿台ガラスから読み取ります。

「紙詰まり」と表示されていても、外から紙が見えないことがあります。奥へ手を差し込まず、案内された経路に残った紙がないか確認してください。何も見つからない場合は、後述の判断フローで作業を止める基準を確認しましょう。

プリンターの紙詰まりの原因別対処法|何を見直す?

用紙の湿気・反り・折れがある

取り出した紙に波打ち、折れ、強い反りがある場合は、残りの用紙も確認します。状態の悪い紙を除き、その機種に対応した新しい用紙で少量のテストを行ってください。破れた紙や詰まって傷んだ紙をトレイへ戻すと、再び引っかかるおそれがあります。

用紙は包装に戻すなどして湿気やほこりを避け、平らな場所で保管します。熱を加えたり水で湿らせたりして反りを直す方法は避けてください。用紙を交換したときは、種類・厚みも設定に合っているか見直します。

入れすぎ・ガイドのずれ・重送がある

トレイの上限線を超えていたら用紙を減らし、端をそろえてセットし直します。用紙ガイドは紙幅に合わせ、隙間が大きすぎる状態や、紙が曲がるほど締め付けた状態を避けます。複数枚が重なって送られた場合は、用紙の貼り付きや、サイズ・種類の混在も確認します。

紙をさばくかどうかは用紙と機種の説明に従います。普通紙で行える操作でも、写真用紙などに同じ方法が使えるとは限りません。セットし直しても重送が続く場合は、ローラーや分離部品の点検が必要な可能性があります。

用紙サイズ・種類・給紙先の設定が違う

実際の用紙、本体のトレイ設定、パソコンの印刷設定を照合します。例えば、A4普通紙を入れているのに、別のサイズや厚紙の設定になっていないかを確認してください。設定の不一致は、機種によって用紙エラーや搬送トラブルの原因になります。

封筒・ラベル紙・厚紙は、対応する厚みと給紙口が指定されていることがあります。「印刷できたことがある」だけで判断せず、その機種の対応条件を確認します。ラベルがはがれかけた用紙や、対応外の媒体は使わないでください。

両面印刷のときだけ詰まる

まず、用紙のサイズ・種類・厚みが自動両面印刷に対応しているかを確認します。片面では使える紙でも、両面では対象外の場合があります。対応する普通紙で片面は通り、両面だけ同じ場所で止まるなら、両面ユニットや反転経路の点検が必要になる可能性があります。

業務を急ぐ場合も、詰まりを完全に取り除き、片面で正常に出力できることを確認してから一時的に片面印刷へ切り替えます。両面での再発を放置したまま、大量のジョブを送り直さないようにしましょう。

同じ場所で繰り返す・紙が見当たらない

正常な用紙と設定でも同じ位置で詰まる場合は、残った紙片、ローラーの汚れや摩耗、センサーや搬送部の問題などが考えられます。表示だけでは原因を断定できません。利用者向けの点検や清掃を行っても改善しないときは、分解せず保守へ相談します。

再発の背景を整理したい場合は、紙詰まりが頻発する原因と根本対策も参考になります。今回の復旧作業と、日常の運用見直しをつなげると、同じトラブルを減らしやすくなります。

プリンターの紙詰まりでやってはいけないこと

  • 強く引く・斜めに引く:紙が破れ、紙片が内部に残るおそれがあります。
  • ピンセットやドライバーを奥へ入れる:センサーや搬送部を傷めるおそれがあります。説明書で認められた作業以外は行いません。
  • 高温部や精密部品に触れる:やけどや故障につながります。注意表示と触れてよい位置を守ります。
  • 薬剤や潤滑油を自己判断で使う:ローラーなどの材質を傷める可能性があります。清掃用品も機種の指定に従います。
  • 再起動や再送信を繰り返す:物理的な詰まりは解消せず、復旧後の重複印刷につながります。
  • 詰まった紙を再利用する:折れや破れで再発しやすくなります。機密資料なら社内の廃棄ルールに従います。

部品のロックが外れない、カバーが開かない場合も、力をかけて解決しようとしないでください。説明書の対象機種が本体と一致しているか、別の解除操作が必要かを確認し、判断できなければ窓口へ相談します。

直らないときの判断フローと保守への伝え方

① 異音・煙・焦げ臭さがある?
ある → 使用を中止し、安全を確保して保守窓口へ。
ない ↓
② 説明書の範囲で紙を取り除ける?
取れない・強い抵抗がある → 引っ張らず保守へ。
取れた ↓
③ 紙片が残っていない・エラーが解除された?
確認できない・解除されない → 再印刷を控えて保守へ。
確認できた ↓
④ 少量のテスト印刷で再発する?
再発する → 用紙・設定を確認し、改善しなければ点検を依頼。
正常 → 印刷済みページと照合して業務を再開。

煙や焦げ臭さなどの異常がある場合は、通常の紙詰まり作業を続けないでください。安全に行える範囲で電源を切るなど、機種の安全指示に従い、使用を中止します。

保守窓口には、「紙詰まりです」だけでなく、次の情報をまとめて伝えると状況が共有しやすくなります。

  • メーカー・機種名、エラーコード、表示された場所
  • 使用した用紙のサイズ・種類、給紙トレイ、片面か両面か
  • 発生頻度と、同じ場所・同じ用紙で再発するか
  • 取り除いた紙の破れ、残った紙片、実施した操作
  • テスト印刷の結果、業務への影響と急ぎの資料の有無

写真を送る際は、機密資料や個人情報が写らないようにします。代替機の有無、対応時期、費用や保守範囲は契約によって異なるため、窓口へ確認してください。

まとめ|安全に取り除き、少量の印刷で復旧を確かめる

プリンターの紙詰まりを直す方法は、「印刷を止める」「場所を確認する」「機種の手順で取り除く」「紙片と設定を確認する」「少量で試す」の順に進めるのが基本です。電源操作や引き抜く方向は一律に決めず、説明書と本体画面を優先しましょう。

紙が取れない、破れた紙片が残っている、同じ場所で再発する場合は、無理な作業を止めて保守へ相談します。復旧後は用紙・トレイ・印刷設定を確認し、再発の記録を残すことが大切です。

参考:メーカーが示す手順の一例として、キヤノンのMB2730(MB2700 series)の紙詰まり対処案内があります。他機種にはそのまま適用せず、お使いの機種の案内をご確認ください。

紙詰まり対応で業務が止まるなら、保守体制も見直しませんか

ウルトラプリントでは、プリンターレンタルの導入や、印刷量・利用環境に合わせた運用のご相談をお受けしています。紙詰まりの頻度や現在の対応方法を整理し、保守・メンテナンスを含めた選び方を一緒に確認しましょう。

ぜひ下記のお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。