インクジェット vs レーザー——総コストでどっちが得?
2025.11.21

オフィスのプリンター選びって、総務やIT担当者にとって意外と頭の痛い問題ですよね。
「とにかく経費を抑えろ」と言われて安い機種を入れたものの、すぐにインク切れで交換の手間ばかり増えたり、カウンター料金が予想以上にかさんだり。かといって、ハイスペックな複合機はリース代が高すぎて決裁が下りない……そんな板挟みになっていませんか?
ビジネスの現場では、本体価格の安さよりも、業務を止めない「耐久性」や、長期的に見た「トータルコスト」のほうが重要です。ここを見誤ると、目先の数万円をケチったせいで、年間数十万円の損失を出すことだって珍しくありません。
今回は、オフィス導入の視点から「インクジェット」と「レーザー」を徹底比較しました。コスト削減と業務効率、どちらも犠牲にしないための最適な選択肢を、現場のリアルな事情を交えて解説します。
仕組みの違いがコストに直結!インクジェットとレーザーの基礎
プリンター選びで失敗しないためには、まず「どうやって印刷しているか」を知るのが近道です。
仕組みが違うからこそ、得意なことや苦手なこと、そして掛かるお金の種類が全く変わってくるんですよね。
なんとなく「安いほうで」と決めてしまう前に、それぞれの特性を理解しておきましょう。
ここからの要点は以下の通りです。
- インクジェットは「液体インク」を吹き付けるため、構造がシンプルで本体が安い
- レーザーは「粉末トナー」を熱で定着させるため、高速だが消費電力が高い
- ビジネス用途では「印刷スピード」と「画質」の優先順位でコストが決まる
インクジェット:実はビジネスでも使える?「低コスト」の正体
小規模オフィスや数人のチーム単位であれば、最近のビジネスインクジェットはコスト最強の選択肢になり得ます。
ひと昔前は「仕事でインクジェットなんて(笑)」と敬遠されがちでしたが、今は状況が違います。 本体価格が圧倒的に安く、消費電力もレーザーの数分の一で済むため、固定費をガクッと下げられるからです。
特に、熱を使わずにインクを飛ばす仕組みなので、ウォームアップの待ち時間がほとんどありません。 「最初の1枚」が出るまでの速さは、実はレーザーより優秀だったりします。
最近増えている「大容量インクタンク」モデルをご存知でしょうか。 従来のカートリッジ式だとカラー1枚で10円以上かかっていたコストが、タンク式なら7円~8円程度に収まる機種も登場しています。
月に数百枚程度の印刷で、「社内会議の資料」や「日報」がメインなら、この安さは驚異的です。 年間で計算すると、複合機のリース代と比べて数十万円の差が出ることも珍しくありません。
「画質はそこそこでいい」「大量には刷らない」という拠点なら、迷わずビジネスインクジェットを検討リストに入れましょう。
レーザープリンター:大量印刷で真価を発揮する「スピードと耐久性」
メインのプリンターとして、毎日バリバリ印刷するなら、やっぱりレーザープリンター(複合機)の信頼感には勝てません。
レーザーは「トナー(色付きの粉)」をドラムに付着させ、熱と圧力で紙に焼き付ける方式です。 この仕組みのおかげで、水に濡れても文字がにじまず、蛍光ペンを引いても汚れません。
そして何より、構造的に「連続印刷」にめちゃくちゃ強いんです。 インクジェットがヘッドを左右に動かして頑張っている間に、レーザーは紙を流すだけで一瞬で印刷を終えてしまいます。
想像してみてください。会議の直前に、急遽20ページの資料を10人分用意しなければならない場面。 インクジェットの「ジーコ、ジーコ…」というゆっくりした動作を待っていたら、冷や汗ものですよね。
レーザーなら、1分間に30枚~50枚のペースで吐き出してくれるので、業務を止めることがありません。 この「待ち時間の削減」こそが、レーザーを導入する最大のコストメリットと言えます。
「書類の美しさ=会社の信用」と考える場合や、印刷待ちのストレスをゼロにしたいなら、初期費用が高くてもレーザーを選ぶのが正解です。
消耗品の寿命と交換頻度:見落としがちな「隠れコスト」
導入時につい忘れがちなのが、「誰がどれくらいの頻度で消耗品を交換するのか」という人的コストです。
プリンターのコストは、お金だけではありません。「手間」も立派なコストです。 インクジェットの小型カートリッジは容量が少なく、業務量が多いと「またインク切れ?」と頻繁にアラートが鳴ることになります。
そのたびに総務担当者が作業を中断して、在庫棚からインクを探し、交換作業をする。 この「見えない作業時間」の積み重ねが、業務効率をじわじわと下げていくんです。
一般的なレーザープリンター(大型)のトナーカートリッジは、1本で数千枚から1万枚以上の印刷が可能です。 一度交換すれば、数ヶ月から半年は何も気にせず使い続けられます。
一方で、家庭用ベースのインクジェットを無理やりオフィスで使うと、2週間に1回は交換作業が発生するなんてことも。 「トナー代が高い」と嘆く前に、「交換の手間代」を時給換算してみると、意外とレーザーの方が安上がりだったりするものです。
「安さ」につられて運用が面倒な機種を選ぶと、現場のスタッフが疲弊します。 交換頻度も含めた「運用の楽さ」を天秤にかけて選ぶのが、賢い担当者の判断と言えるでしょう。
徹底比較!導入費vs維持費、トータルで黒字になる分岐点は?
仕組みの違いが分かったところで、次はいよいよ「お金」の話をしましょう。
企業のコスト削減担当として頭が痛いのは、初期費用(イニシャル)を抑えるべきか、日々の維持費(ランニング)を重視すべきか、というバランスですよね。
「安いプリンターを買ったはずが、半年後には消耗品代で赤字になっていた」なんて事態は、稟議を通した担当者としての信用に関わります。
ここでは、見落としがちな「電気代」や「契約形態」も含めて、損益分岐点がどこにあるのかを掘り下げていきます。
このセクションの要点は以下の通りです。
- 本体価格はインクジェットが圧倒的に安いが、レーザーは「リース契約」で初期負担を分散できる
- 最新やレンタルの「大容量インク」なら、1枚あたりのコストはレーザーよりも安くなる逆転現象が起きている
- 電気代の差は歴然。大量導入するオフィスほどインクジェットの省エネ効果が効いてくる
初期導入コスト:購入かリースか、キャッシュフローへの影響
「今期の予算内でとにかく安く導入したい」ならインクジェットの購入一択ですが、長期的な保守サポートを含めるならレーザーのリース契約が安心です。
ビジネス用インクジェットプリンターは、高性能なモデルでも数万円から10万円程度で購入、レンタルもできます。 これなら「消耗品費」や「少額減価償却資産」として処理できるため、稟議の承認もスムーズですよね。
一方、レーザー(特に複合機)は数十万円から数百万円と高額です。 ただ、BtoBの世界には「リース」という選択肢があります。月額料金を払うことで初期投資を抑えつつ、トナー代やメンテナンス費を「カウンター料金」として変動費化できるのが強みです。
例えば、スタートアップ企業や小規模な営業所を立ち上げる場合、いきなり数百万円の複合機を入れるのはキャッシュフロー的にリスクがあります。 まずは5万円前後のビジネスインクジェットを「買い切り」で導入し、固定費を抑えるのが賢い戦略でしょう。
逆に、すでに総務部門がしっかりしており、突発的な故障で業務を止めたくない場合は、高くても保守員が飛んできてくれるレーザー(リース契約)の方が、管理コストを含めると結果的に安くつくケースが多いです。
「目の前の現金を残したい」ならインクジェットの買い切り。「管理の手間をお金で解決したい」ならレーザーのリース。会社のフェーズに合わせて選びましょう。
ランニングコストの逆襲:「インクは高い」は過去の常識?
カラー印刷をメインにするなら、今やコストパフォーマンス最強なのは「大容量タンク式のインクジェット」です。レーザー神話は崩れつつあります。
昔から「たくさん刷るならレーザーの方が安い」と言われてきましたが、ここ数年で状況は一変しました。 メーカー各社が出している「エコタンク」や「ウルトラプリント」と呼ばれるモデルは、インク1本で数千枚刷れる上に、単価が劇的に安いんです。
レーザープリンターの場合、カラー印刷1枚あたり15円~25円程度(カウンター料金含む)かかるのが一般的ですが、タンク式インクジェットなら1枚7円~8円程度で済んでしまいます。
具体的な数字でシミュレーションしてみましょう。 月にカラー資料を3,000枚印刷するオフィスの場合。
レーザーだと「3,000枚 × 15円 = 45,000円」が毎月かかります。 一方、タンク式インクジェットなら「3,000枚 × 7円 = 21,000円」。
その差額は月39,000円。年間で約47万円もの経費削減になります。 これだけの差が出れば、多少印刷スピードが遅くてもインクジェットを導入する価値は十分にありますよね。
「社内資料はカラーで見やすくしたい、でもコストは下げたい」。そんなわがままな要望には、最新のタンク式インクジェットが最適解です。
第三のコスト「電気代」:チリも積もれば山となる消費電力
昨今の電気代高騰を考えると、インクジェットの「省エネ性能」は無視できないコスト削減要因になります。
レーザープリンターは、トナーを熱で溶かして定着させるため、ドライヤーを使っているようなもので、大量の電気を食います。 印刷時には1000W近く消費することも珍しくありません。
対してインクジェットは、インクを吹き付けるだけなので熱をほとんど使いません。消費電力は数十W程度。 1台だけなら誤差かもしれませんが、オフィスで複数台稼働させている場合、この差は基本料金にも影響してきます。
ある企業では、フロアの複合機をレーザーからビジネスインクジェットに入れ替えただけで、フロア全体の消費電力量が目に見えて下がったというデータもあります。
特に、空調費がかさむ夏場や冬場において、熱を発するレーザープリンターは室温を上げる原因にもなります。 「プリンターを変えたらオフィスの冷房の効きが良くなった」なんていう副次的な効果も、現場ではよく聞く話です。
SDGsや省エネ経営が求められる今、電気代という「見えにくい固定費」を削るためにも、インクジェットの低消費電力は大きな武器になります。
結局、自社にはどっち?業種・用途別のおすすめ導入パターン
ここまでコストや仕組みを比較してきましたが、結局のところ「絶対的な正解」なんてものはありません。ある会社にとってのベストが、別の会社では大失敗になることだってあります。
重要なのは、自社の業務内容や、そこで働く社員が「何を求めているか」にフィットさせることです。
無理にコストだけで選んで現場から不満が出るのも避けたいですし、オーバースペックな機械を入れて予算を無駄にするのも経営的にはNGですよね。
ここでは、よくあるビジネスシーンを3つのパターンに分け、それぞれに最適な「正解」を導き出します。
このセクションの要点は以下の通りです。
- 契約書や文字中心の書類が多い「士業・管理部門」は、信頼性のレーザー一択
- 写真や図解入り資料で顧客にアピールする「営業・サービス業」は、発色のいいインクジェット
- 実は一番賢い「2台持ち」。適材適所でコストとリスクを分散させるハイブリッド運用
パターンA:契約書・請求書が命!「堅実さ」重視のバックオフィス
法務、経理、あるいは士業のオフィスなど、「文字のくっきり感」と「保存性」が求められる現場なら、迷わずレーザープリンターを選んでください。
ビジネス文書において、文字のかすれや滲みは「信用の低下」に直結します。 レーザーで焼き付けた文字は樹脂でコーティングされているようなものなので、長期保存しても劣化しにくく、万が一雨に濡れた封筒の中でも文字が溶け出すことがありません。
また、小さな文字(ポイント数の小さい注釈など)の再現性は、依然としてレーザーに分があります。 重要な契約書の条文が潰れて読めない、なんて事態は絶対に避けなければなりませんから。
例えば、大量の請求書を月末に一気に発行する経理部門。 インクジェットだと印刷した直後の用紙が湿っていて、封筒に入れる作業でインクが手についたり、紙詰まりを起こしたりすることがあります。
レーザーなら、排紙された瞬間からカラッと乾いていて、紙もパリッとしているので、その後の封入作業もスムーズに進みます。 「書類の品格」と「事務作業の効率」を買うと思えば、レーザーのコストは決して高くありません。
対外的な書類が多い部署では、コスト削減よりも「事故が起きない安心感」を優先するのが、結果として会社を守ることになります。
パターンB:チラシ・提案資料で勝負!「訴求力」重視のフロントオフィス
不動産、飲食、デザイン、あるいは提案営業がメインのチームなら、高画質なビジネスインクジェット(特にタンク式)が最強の武器になります。
レーザープリンターのカラー印刷は、どうしても表面がテカテカと油っぽくなりがちで、写真の階調表現も苦手です。 一方、インクジェットは写真やグラデーションを自然かつ鮮やかに表現できます。
しかも、前述の通りランニングコストが激安なので、「カラーで刷ると怒られる」という社内の心理的ハードルを取り払えます。 白黒の文字だけの資料と、フルカラーの図解入り資料。どちらが顧客の心を動かせるかは明白ですよね。
不動産会社を想像してみてください。物件の魅力を伝えるチラシ(マイソク)が、白黒で不鮮明だったらどうでしょうか。お客様のテンションは上がりません。 インクジェットなら、外観写真や間取り図を鮮明に、しかも1枚数円で印刷できます。
また、飲食店の日替わりメニューやPOP作成でも、インクジェットなら手書き風のニュアンスまで綺麗に出せます。 「コストを気にせずバンバン試し刷りできる」という環境は、クリエイティブな質を確実に高めてくれます。
「見栄えが売上に直結する」業種なら、表現力とコストパフォーマンスを両立できるインクジェットが、ビジネスを加速させてくれるはずです。
リスク分散の賢い選択「ハイブリッド運用」のすすめ
ある程度の規模があるオフィスなら、1台の高性能複合機に頼るのではなく、「メインのレーザー + サブのインクジェット」という2台体制が、実は最も合理的です。
「複合機が故障して、修理が来るまで仕事が止まった」という経験はありませんか? 1台に集約するのは管理上ラクですが、トラブル時のリスクが大きすぎます。
そこで、大量印刷用のモノクロレーザーと、カラー印刷用のインクジェットを併用するのです。 用途を分けることで、それぞれの得意分野(スピードと安さ)を活かせますし、片方が壊れても業務を継続できます。
普段の会議資料や社内文書は、カウンター料金のかからないタンク式インクジェットで出力する。 お客様に渡す正式な見積書や、100枚を超える大量コピーの時だけレーザー複合機を使う。
このようにルールを決めて運用した企業では、複合機のカウンター料金が半減し、その浮いたコストでインクジェットプリンターの本体代が数ヶ月で回収できたという事例があります。 まさに「いいとこ取り」の戦略です。
「どっちか一つ」と決めつける必要はありません。適材適所で使い分けることが、トータルコストを下げつつ、業務の安定性を高める最適解なのです。
買ってから「置けない!」では遅すぎる。導入前の最終チェックリスト
コスト計算もバッチリ、機種も選定した。よし、これで発注だ!…と、ハンコを押す前に、ちょっとだけ待ってください。
プリンターという機械は、カタログに載っている「本体サイズ」だけを見て場所を確保すると、痛い目を見ることがあります。
実際に届いて設置してみたら、トレイが引き出せない、排熱が凄すぎて横に座る社員が暑がる、あるいは音がうるさすぎて会議室の近くに置けない。そんな「物理的な問題」で、せっかくの新品が邪魔者扱いされてしまうケースが後を絶ちません。
ここでは、スペック表の隅っこ、あるいは載っていないけれど確認すべき「現場のリアルな注意点」をリストアップしました。
このセクションの要点は以下の通りです。
- 意外と盲点な「メンテナンススペース」。本体サイズの1.5倍の空間確保が必要
- 業務効率を左右する「ADF(自動原稿送り装置)」は、ケチると後悔する機能No.1
- 無線LANは便利だが、オフィスの安定稼働を考えるなら「有線LAN対応」は必須
設置場所の落とし穴:サイズよりも「作業スペース」と「重さ」
設置場所を測るときは、本体の幅だけでなく、「トナー交換のために扉を開けるスペース」と「用紙補給のためにトレイを引くスペース」を含めて計測してください。
レーザープリンター、特に複合機は、紙詰まりの除去やトナー交換のために、前面や側面をガバッと開ける構造になっています。 もし壁ギリギリや棚の中に押し込んでしまうと、トラブルが起きるたびに重い本体を引っ張り出さなければなりません。これは腰を痛めますし、メンテナンスをサボる原因にもなります。
また、重さにも注意が必要です。レーザーは小型機でも20kg~30kg、複合機ならそれ以上になります。 安価なラックやスチール棚だと、重さに耐えきれず天板が歪んだり、印刷時の振動でガタガタと騒音を出したりします。
インクジェットの場合、ヘッドが左右に激しく動くため、華奢な机の上に置くと、地震かと思うくらい机全体が揺れることがあります。 電話機の横に置いたら、印刷中の振動で受話器がガタガタ鳴って通話ができない、なんて笑えない話もあります。
レーザーの場合は「排熱ファン」の位置を確認しましょう。 隣の席の人の顔に向けて熱風が吹き出す配置にしてしまい、夏場に大クレームになった事例を知っています。
プリンターは「置ければいい」ものではありません。「人が快適にメンテナンスできるか」という動線を含めて場所を確保しましょう。
隠れた必須機能:スキャン業務が多いなら「ADF」は絶対条件
見積書や契約書をデータ化(PDF化)する業務があるなら、多少高くても「ADF(自動原稿送り装置)」がついているモデルを選んでください。ここはコストを削ってはいけないポイントです。
ペーパーレス化が進む現代、プリンターは「出す」だけでなく「取り込む(スキャンする)」役割も重要になっています。 ADFがない機種だと、複数枚の書類をスキャンする際、一枚ずつガラス面に置いて、蓋を閉じて、ボタンを押して…という作業を延々と繰り返すことになります。
これは人件費の無駄遣い以外の何物でもありません。 ADFがあれば、束ねた書類をセットしてボタンを一度押すだけで、あとは勝手に全部読み込んでくれます。
例えば、10枚の契約書をPDFにする作業。 手動だと3分以上かかりますが、ADFなら30秒で終わります。 もしこれが毎日発生するとしたら、年間で何時間のロスになるでしょうか。
最近のビジネスインクジェットには、このADFが高性能なもの(両面同時読み取りなど)も増えています。 本体価格が数千円違うだけでこの機能がつくなら、迷わずつけるべきです。従業員の「めんどくさい」というストレスをお金で解決できるなら安いものです。
「うちは印刷しかしない」と思っていても、将来的な電子帳簿保存法の対応などでスキャン需要は必ず増えます。ADF付きが正解です。
接続方法の罠:オフィスなら「有線LAN」が一番の安全策
「Wi-Fiでスッキリ配線」は家庭なら正解ですが、安定性が求められるオフィス環境、特にメイン機にするなら「有線LAN」での接続を強く推奨します。
最近のプリンターはWi-Fi対応が当たり前ですが、オフィスのWi-Fi環境は過酷です。 多数のPCやスマホが接続され、電子レンジなどの干渉も受けやすいため、無線接続は意外と不安定になりがちです。
「急いで印刷したいのに、なぜかプリンターが見つからない」「データが重くて転送中に止まる」 こうしたトラブルは、業務のリズムを崩す最大の要因です。
特にインクジェットプリンターをWi-Fiで共有している場合、大きな画像データを送るとネットワークの帯域を占有してしまい、他の人のネット速度まで遅くなることがあります。
有線LANケーブルでハブに直結しておけば、通信は安定しますし、セキュリティ的にも安心です。 もしWi-Fi専用の安価なモデルを買ってしまった場合、あとから「有線にしたい」と思ってもポートがなくて詰むことがあります。
業務機器に求められるのは「いつでも当たり前に動くこと」です。無線の便利さよりも、有線の確実性を取るのがプロの選択です。
まとめ:コスト削減の正解は「安さ」ではなく「最適化」にある
ここまで、インクジェットとレーザーの違い、そしてコストの裏側について詳しく解説してきました。
最後に、もう一度重要なポイントを整理しておきましょう。
- 少量印刷・コスト優先なら「ビジネスインクジェット」 特にタンク式モデルは、ランニングコストにおいて最強です。
- 大量印刷・スピード・品質優先なら「レーザー(複合機)」 お客様への信頼性や業務効率を重視するなら、やはり王道は揺るぎません。
- 賢い企業の選択は「ハイブリッド」 どちらか一つに絞るのではなく、用途に合わせて両方を使い分けるのが、リスクもコストも抑える最適解です。
プリンター選びで一番怖いのは、「なんとなく」で決めてしまうことです。 「前の機種がレーザーだったから次もレーザーで」「とりあえず一番安いやつで」といった思考停止が、年間数万円、あるいは数十万円の見えない損失を生み出します。
まずは、自社の直近3ヶ月の「印刷枚数」と「カラー比率」をチェックしてみてください。 現状を数字で把握すること。それが、経費削減という成果を出すための最初の一歩です。
この記事が、あなたの会社の利益を守り、現場のスタッフも喜ぶ「賢い選択」の一助となれば幸いです。

